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シャングリラ①

先日『ヤン・リーピンのシャングリラ』という舞台を見に梅田芸術劇場までいってきました。

この舞台に出会えたこと、この舞台を見れたこと、何か縁があるのか、、、舞台を見ている間、これほどまでにいろんなことを考えさせられ、これほどまでに感動、、、というか感動という言葉では表現できないほどの衝撃を受けたのは人生初めてかもしれない。。。

『シャングリラ』・・・ヤン・リーピン(雲南省出身のダンサー)は私財を叩き、破産覚悟で15ヶ月に渡り、中国雲南省の少数民族(イ族、ハニ族、ワ族、チベット族、漢族など)の村々を訪ね旅したそうです。
 そこで、いいと思えばスカウトし、(例えば、ある村で牛の背中に乗った男性が逃げた牛の群れを追っていた。その時、男性が牛を呼ぶ掛け声が歌に聞こえたから舞台を共に作ろうと声をかけるといった具合に。)、自費で学校を立て、彼ら彼女らをそこに呼び、稽古をする中でそれぞれの部族の歌舞をうまく構成し、一つの民族歌舞劇として舞台化したそうです。

彼女はなぜこんな舞台を作りたいと思ったのか?それは、、、

『雲南の原生態の精神を舞台化したかった』から

舞台の上で舞い踊る人々からは、大昔から語り継がれ、生まれた瞬間からその人たちに見についた始原の芸能、豊穣を祈り、恵みに感謝する奥深い心がにじみ出ていました。

すばらしき<演目>の数々を少し紹介します。
(もう日本での公演は終了しましたので公開してもいいですよね、、、。)

開演前・・・パンフレットを2000円で売っていました。少し高いよな・・・と思いながら買わず席につきました。

            <開演 第一部>

太鼓・・・7つの太鼓をみることができました。

①マングー太鼓(ハニ族)
 ボディペインティングをした男性が太鼓を抱え、叩きながら、走り跳び回るものです。五穀と繁栄を祈願したものだそうで、よりはげしく舞うことで神との距離が近づくと考えられているそうです。たたき方は沖縄のエイサーに似ていました。

シャングリラ②
<太陽太鼓 パンフレットより>

②太陽太鼓(ジノー族)
 バチで鼓面を叩くことが男女の交わりをあらわすそうで、子孫繁栄を祈願した舞だそうです。男性が勇ましく、木片が周囲に刺さった大太鼓を打っていました。何人もの人が思い思いに叩いていましたが、なぜかぐちゃぐちゃに聞こえません。心地いいリズムと音でした。なにか宿ってます。フムフム、、、。

③シンバルの舞(ジンポー族支系アイニ人)
 シンバルと太鼓の組曲でした。初めて知りましたが、シンバルは場の空気を祭事一色に高めるという意味があるそうです。(シンバルというよりは神楽で使う手拍子の大きいものだったので、神楽で使う手拍子もそんな意味合いがあるのでしょうか?)

④トンマン(ワ族)
 男鼓と女鼓があり、対をなして叩き舞あうものです。
日本の八丈太鼓に似ていました。

⑤神太鼓(イ族)
 すべて女性が叩くもので、子孫繁栄、豊穣、婚姻、葬儀、結婚など目的によって24の打法があるそうです。現在それらをすべて演奏できるのは緑春地区に住む女性ただ一人です。今回の公演のために、その女性しか叩けなかった打法をよみがえらせたそうです。

⑥虎太鼓(イ族)
 男性が虎になりきり、勇壮に打ち込む太鼓です。
表情、打ち方、気持ちの込めよう、、、まさに力強い虎でした。
この気持ちの入りようと独特の雰囲気、、、以前どこかでみたことがあるような、、、石見の風にふかれて。

⑦雨乞い(ワ族、イ族、ジンポー族、ハニ族)
 過酷な自然でくらす人々は自然に対してとても謙虚。しかし、雨がふらないのは一番つらい。天に対して雨を求め、声の限りを尽くし、太鼓をたたくことで山の空気を震わせ、雲をあつめ、雨を降らせるという意味があるそうです。雨に見立てた砂を天から降らすという演出がなされていました。打ち手の表情がどこか歓喜にみちていたのが印象的でした。

シャングリラ⑥
<月光 パンフレットより>

月光・・・ヤン・リーピンがシルエットだけでみせる舞です。どこをどうしたらあんな動きができるのか、、、。インドネシアの影絵劇ワヤンクリに似た動きでした。見とれました。ただものではない。。。

花腰歌舞(フイヤオイ族歌舞)・・・若い(14歳前後でしょうか、、、)子が愛らしく、にぎやかに踊る郡舞です。
 この舞踊なんと、、、三拍子で歌い、二拍子でステップを踏み、一拍子で手を叩くものでした。それを踊りながら、フォーメーションを変えながら約20人が群舞する。
 練習してできる技ではありません。生まれついた時から、生まれついた土地で育った芸能だったように思います。今度はその土地で見てみたい。

女人国(フイヤオタイ族)・・・笠をかぶった人が「もし女性がいなければ、、、夜明けはこず、緑は育たず、男性は病に倒れてしまう。だから、太陽や月は休んでも、女性は休まない。女性がいなければ人類はいない」と歌いながら舞い踊っていました。女性として生まれ生きていくことの責任の重さと苦労を舞い表現しているのだそうです。う~ん考えさせされます。

打歌(イ族)・・・思春期の男女が恋を見つけるために舞われれものだそうです。舞終わるころにはたくさんのカップルが誕生するそうです。歌「女の子は男の子にいいたいのです。どんなに花を摘むのが楽しいか。だけど、女の子は恥ずかしがり屋でそれをいうことができない。花を摘みにやってくる。一家が花を摘みにやってくる。。。」う~~ん。深~く考えさえられます。

<休憩>・・・一目散にパンフレットを買いにいきました。


              <第二部>
シャングリラ③
<竹子笛 パンフレットより>

竹子笛(ワ族、リス族)・・・ヤン・リーピンが考案した長さ8メートルの原生の竹をそのまま笛にし、演奏したものです。
 大自然との調和を表現しているそうです。

笛、、、というか竹ですよね。。。

 竹をそのまま笛にするという発想もさることながら、あんなものでもしっかり音がでることに驚きました。
 龍笛のような高い音から、尺八のような低い音までいろんな音色を奏でていました。

煙草入れの舞(イ族)・・・煙草入れの箱をカスタネットのようにカチ カチと鳴らしながら、舞っていました。虫、熊、蟻、猿いろんな動物の男女の交わりを表現した、自然賛歌、人間賛歌の舞だそうです。
健全な男の子には少し刺激的な舞でした。

聖地巡礼・・・3つの演目を見ることができました。

①童謡(イ族、漢族、ハニ族、タイ族)
 10歳にもみたない小さな子が透き通るような声を出し、歌っていました。大自然の山々での生活で身につけた声だからあんなに高い、きれいな声がだせるのですね。自分たちの故郷であり、崇高な信仰の場の山々に響いていくような歌声でした。もう一度言いますが、声の主は10歳くらいの子どもです。

②祈りの筒
 転経筒というチベット仏教に伝わる筒を使った踊りです。転経筒は一度転がせば、長いお経を読んだことになるというのは有名な話ですね。

③経旗
 シルクで作られた長い布を振り回して舞う。神への祈りが込められているそうです。日本舞踊なんかに見られる『さらしの舞』に似ていました。

シャングリラ⑤
<孔雀の精霊 パンフレットより>

孔雀の精霊・・・ヤン・リーピンの孔雀を表現した舞です。
 タイ族では孔雀を太陽鳥と呼び、愛の象徴としているそうです。

本当に本当に見とれてしまいました。

 もはや人間技ではない、いや、半分は何かが乗り移っているようなものでした。

開場全員のスタンディングオベーション。

終了。

 2時間の舞台。どれだけ短く感じたことでしょうか、しかし、ものすごく見入りすぎ、終わった後に集中、感動しすぎて、いかれました、、、じゃなかった。疲れました。

彼女は言います。
「物質文明の影響などで民族としての意識が薄れ、多くの歌舞が失われている今、少数民族の貴重な伝統文化を次世代に伝え、残していくことは難しい。しかし、その何割かは舞台芸術という方法で伝承できると信じている」と

一方で「代々伝えられていく過程で変化していくのも伝統文化だ。伝統の中にありながら新しいものを作っていくというのが私の考えでその一つが“シャングリラ”です」と

“伝統文化を継承し、舞台芸術として表現・伝承し、新しいものを生み出そうとしている”

なんと、やっていることの根源は我々と同じではないか!!?

そしてそこに宿るものは、、、祈り、雨乞い、五穀豊穣、、、
そう、“感謝”の気持ちなんです。
 伝統文化の中にはそういった自然に対する感謝の気持ちが盛り込まれています。その感謝の気持ちこそが先人たちが伝えてくれたものであり、われわれが形は違えど子孫へ伝えていかなくてはならないものなんですね。日々感謝!!

そして、世界はすごい。
ある部族は生れ落ちたすぐ横に太鼓があり、ひと打すると耳が聞こえ、ひと打ちすると目が開く、、そうです。そんな環境の下で育った人たちが叩く太鼓はなんともいえない深みとやさしさがこもっていました。

携帯なんてない山での生活、何百メートルも先の人に言葉をつたえるために身につけた、山々に響く声。その歌声はいっさいのものを邪魔しない、まさに自然に溶け込むかのようなきれいな声でした。

まだまだ自分の知らないスケールの大きさが世界にはある。そしてこの日本にもあるはず。
世の中、面白いことだらけですね。

なんだか、楽しくなってきました。

いつか必ず、“石見神楽を持って、世界をめぐる”男のロマン誕生です。

                         瓜生山の風ミスター007

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非公開
自己紹介:
島根県西部に伝わる郷土芸能“石見神楽”の習得、研究、創作に取り組んでいる団体です。
これまでに大分、高知、大阪、そして京都と全国各地で公演を行っており、冬には島根県大田市温泉津町にて
『新春神楽』という舞台公演を企画し、地元及び観光客の方々に披露しております。

2005年より京都造形芸術大学において地域に残る歴史や文化、芸術に着目し、地域活性化につなげようと
『温泉津プロジェクト』を発足しました。
毎年夏に行われるこのプロジェクトは、過疎化の進みつつある島根県大田市温泉津町を、地元の神楽団である
「石見神楽温泉津舞子連中」と京都造形芸術大学の学生による「京都瓜生山舞子連中」とが協力し地域活性化を目指し、
様々な催し物を企画し行うプロジェクトです。

2008年からサークル活動としても動き出し、夏のプロジェクトとしての活動だけではなく、
一年通して芸能の習得、研究を目的として日々精進しております。
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